『足洗い屋敷』 本所七不思議 其の陸

『足洗い屋敷』 本所七不思議 其の陸
江戸時代の話でございます。
本所は三笠町に旗本屋敷がございまして、味野某(小宮山某とも)なる旗本が住んでおりました。
ある日、屋敷の天井裏からもの凄い音がして、「足を洗え?」との声が響き渡ります。
何事かと思うと、天井がバリバリと割れ、そこに大きな足が現れたのでございます。
屋敷中の人はもう恐怖で腰を抜かし震えるばかり。
天井を突き破って巨大な足が出て来たんですから、もうこりゃあ誰だって腰を抜かすってもんです。
何もせずにいると足は次々に天井を突き破り暴れ回る始末。
「足を洗え?足を洗え?」って。
これが毎晩続くわけです。
堪ったもんじゃない。
なんとかせねばって云うんで、意を決してお女中の一人が足を洗ってみることにしたんですな。
「洗いますから?洗いますから?、おとなしくしてくださ?い」とか言ったんでしょうか。
足は、剛毛に覆われていたとか、泥だらけ、はたまた血だらけだったとか。
まあ汚い足であったと云うことでしょう。
その汚くて大きな足をキレイに洗ってやると、足は天井に消え失せてしまったと云うことです。
満足したんでしょうな、その後は出なくてなったと申します。
この話、正体は狸だったとか、その狸が仇討ちの助っ人をしたとか、足が泥棒を踏み捕まえたとかの話もあるそうです。
落語でお馴染みの「本所七不思議」。
(実際は、本題「浅井の化け物娘」に入る前のマクラ部分)
江戸時代に流行った怪現象話でございます。
「こ、これは絶対に妖怪が絡んでる!」と勇んで巡ってまいりました。
順番があるかもしれませんが、今回は私が回った順でご紹介。
六ヶ所目は、『足洗い屋敷』でございます。
北斎通りを東に進みます。
前方に黒い建物が見えてきました。
はい、着きました。( ´∀`)ノ
旗本屋敷跡、『足洗い屋敷』の舞台となったところです。
正面の黒い建物の辺りです。
ここは、三ツ目通り。
三ツ目が通る!Σ( ̄□ ̄;)ハッ
お化けの三ツ目小僧じゃなくて、竪川にかけられた橋が5つ有り、この通りが隅田川よりから数えて三つ目の橋(三ツ目橋)があったことから「三ツ目通り」と。
ここに旗本屋敷があって、
汚い足が大暴れ。(゚∀゚)))))
こんな感じ?(;゚皿゚)
( ・Д・)」足洗って?!
今回、「本所七不思議」を巡るにあたり、
吟醸さんのHP『吟醸の館へようこそ』中の「落語の舞台を歩く」(本所七不思議は第45話)を参考にさせて頂きました。
吟醸さん自らカメラを提げ、地道に実地検証されたものです。
落語の世界も面白い!( =゚ω゚)=3
なんと吟醸さんは、書籍も執筆していらっしゃる。
「江戸落語の舞台を歩く」東京地図出版
これを読んだら、あなたも江戸散策をしたくなること請け合いです。
お付き合い、ありがとうございました。
次回は、『送り拍子木』です。( ´∀`)ノシ
壱『片葉の葦』 弐『落葉無き椎の木』 参『狸囃子』 肆『津軽屋敷の太鼓』 伍『消えずの行灯』 質『送り拍子木』 捌『置いてけ堀』玖『送り提灯』
妖怪ショートアニメ「ちみちみ怪々」
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(別ウィンドウで開きます。)