★『消えずの行灯』 本所七不思議  其の伍

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『消えずの行灯』 本所七不思議  其の伍 

江戸時代の話でございます。
本所に掘割がありまして、これを本所割下水と呼んでおりました。
下水と申しましても今の下水とは違い湿地帯から水を排水する為のもの。
本所と云う所は低地の湿地で埋め立てて作られた町という訳でございます。
割下水は北と南の2本が有り、今回は南、本所南割下水のお話。
この割下水、だいたい1間(1.8m)の幅がありまして両側が道になっておりました。
そして、夜になるとこの道に屋台の蕎麦屋が見かけられたそうであります。
その屋台の中に、行灯は灯ってるが何時行っても店主が居ないと云う奇妙な屋台が噂になりまして、怪談話になった次第です。
行灯が灯り、湯も沸いている、見るからに営業中。
しかし、用を足してるんだか水を汲みにいってるんだか、肝心の店主が居ないのでございます。
物好きな輩が夜が明けるまで待ってみましたが、一向に帰ってくる気配がない。
しかもおかしな事に待ってる間、油を足した訳ではないのに行灯が灯りっぱなし。
それを見た客は気味悪がって逃げ出したのでございます。
その蕎麦屋、割下水付近に知らない間に現れて、知らない間に消えている。
狐狸の仕業かなんなのか、全く不思議な話でございます。
そして、万一にも「油が勿体ない」などと気を利かせて灯を消してはいけません。
後に凶事が起こるとの事でございます。

落語でお馴染みの「本所七不思議」。
(実際は、本題「浅井の化け物娘」に入る前のマクラ部分)
江戸時代に流行った怪現象話でございます。

「こ、これは絶対に妖怪が絡んでる!」と勇んで巡ってまいりました。
順番があるかもしれませんが、今回は私が回った順でご紹介。
五ヶ所目は、『消えずの行灯』でございます。
別名『燈無蕎麦』(あかりなしそば)とも申します。


kiezunoandon_1.jpg 場所は、七不思議のメインストリートとも言える北斎通りです。
北斎通りは、かの葛飾北斎誕生の地がこの通りにあった事に因んで付けられました。
この通りで毎年「北斎祭り」が開かれます。

昔、この道の真ん中に割下水があったんだ。
カワウソとか居たのかな?。( ´∀`)


kiezunoandon_2.jpg 多分この辺かな?。(゜д゜)ゞ
蕎麦屋はありませんね?。
昼間ですしね。(゚∀゚)))))

江戸東京博物館まで道は真直ぐ続きます。


kiezunoandon_3.jpg 消えずの行灯を発見!Σ(゚Д゚ノ)ノ
(゚∀゚))))) チガウカー!

昔、蕎麦屋の店主が“のっぺらぼう”って怪談映画を観た記憶が。
「お前さんが見たお化けは、こんな顔だったかい?」ってやつ。
( _ )ゞ


kiezunoandon_4.jpg 次の目的地へ、とっとと歩きます。
北斎通りを東へ。


kiezunoandon_5.jpg またまた写真が少ないので誤魔化し。(  ̄д ̄;)ゞ
「店主が居なけりゃ、勝手に作って食べればいいのよ!」

北斎通りを歩くと面白いです。
特に気に入ったのが、バネ専門の問屋?(工場?)さん。
色んなバネ、スプリングがゴチャーっと置いてある。
スゲー圧巻。
写真撮っとけばよかった…。(´・ω・`)


今回、「本所七不思議」を巡るにあたり、
吟醸さんのHP『吟醸の館へようこそ』中の「落語の舞台を歩く」(本所七不思議は第45話)を参考にさせて頂きました。
吟醸さん自らカメラを提げ、地道に実地検証されたものです。
落語の世界も面白い!( =゚ω゚)=3


なんと吟醸さんは、書籍も執筆していらっしゃる。
「江戸落語の舞台を歩く」東京地図出版
これを読んだら、あなたも江戸散策をしたくなること請け合いです。

お付き合い、ありがとうございました。
次回は、『足洗い屋敷』です。( ´∀`)ノシ


『片葉の葦』『落葉無き椎の木』『狸囃子』『津軽屋敷の太鼓』『足洗い屋敷』『送り拍子木』『置いてけ堀』『送り提灯』
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コメント

う~ん、お蕎麦が食べたくなりますね。o(^ω^)❤
でも、店主がいなくちゃ、食べられない…。
そうか…灯は消しちゃいけないんですね?ふんふん。

ははは
最初からついてなかったりして~~~!

そーいえば、時代劇では、蕎麦屋さんは必ず川のそば。
あれは川ではなくて割下水?
今はもう無いのね
残ってるところはないのかしら?

おそば食べたい
ざるそばもいいけど、温かいおつゆのそば!!!

その蕎麦屋は人間御断りのお店なのかねぇ?
どんなお蕎麦を出しているのか気になるじゃないか…。

お蕎麦と言えばやっぱり出雲そば。
割子そばも大好きですが、釜上げそばも美味しいですよね。
久しぶりに食べたくなってきました。

皆様、ありがとうございまっす!<(_ _)>

> Baby pink amy 様
セルフサービズの屋台だったりして。(゚∀゚)))))
自分でゆでて汁入れて、トッピングとかもあったり。
あの昔の屋台で一度食べてみたいな~。( ̄¬ ̄*)


> 松井大門 様
江戸時代は、エコの時代って言いますからね~。
でも灯が無い屋台は、ただの休業屋台だな~。(゚∀゚)))))
『燈無蕎麦』(あかりなしそば)は、灯がないバージョンですね。


> Lily姫 様
江戸は水の都と云われるくらい水路が沢山あったから、
あちこちにそば屋の屋台があったのかも。( ´∀`)
現在は、埋め立てられたり、暗渠になったりですね。


> 2010-07-03 11:07 様
いつも行くお蕎麦屋はでは、必ず一緒に卵焼きを。
あと穴子の天ぷらもあれば幸せですね。 ( ・∀・) ~♪
うちでは、蕎麦は常備品です。


> ねね 様
そういうお蕎麦屋さんがあると、是が非でも食べてみたくなるもんです。
出雲そばは、帰省するといつも大量に買って帰ります。
あと「あごのやき」もね。 ( ・∀・) ~♪

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