『片葉の葦』 本所七不思議 其の壱

『片葉の葦』 本所七不思議 其の壱
江戸時代の話でございます。
本所亀沢町にお駒と云う、それは器量良しの娘が住んでおりました。
まあ器量良しでありますので、男共が言い寄ってきますわな。
その男共の中に留蔵という男がおりまして、これがまた幾度も執拗に迫って来る。
しかし、お駒さんは好みでなかったのでしょう「ごめんなさ?い」とかわす毎日。
まあよくある話です。
傷心男は屋台でやけ酒を呑んで終る訳ですが、留蔵は違ってた。
留蔵は、思い通りにならない事に爆発。
可愛さ余って憎さ百倍と云うのでしょうか。
「俺の女にならぬなら… この手で…」と。
昔も居たんですな?、いっちゃってるストーカーさんが。
お駒さんが外出した際後をつけ、持ってた合口でブスリと…。
だが留蔵、殺しただけじゃあ気が治まらない
なんと片手片足を切り落とし、挙げ句は掘に投げ込んだ。
鬼畜野郎でございます。
事件発生場所は、大川(隅田川)の入堀(片葉掘、駒止堀とも)にかかる駒止橋付近。
それ以来、その掘に生い茂る葦は、どうしたことか片葉になったと云う事でございます。
お駒さんの無念の現れか。
この後、留蔵は狂い死にしたと云います。
落語でお馴染みの「本所七不思議」。
(実際は、本題「浅井の化け物娘」に入る前のマクラ部分)
江戸時代に流行った怪現象話でございます。
「こ、これは絶対に妖怪が絡んでる!」と勇んで巡ってまいりました。
順番があるかもしれませんが、今回は私が回った順でご紹介。
まず最初は、『片葉の葦』でございます。
話の舞台の片葉掘の駒止橋付近は、現在の両国橋のちょい南側。
まずは、両国の“らーめん まる玉”で腹ごしらえ。美味い!( =゚ω゚)=3
そして、この話の目印になる両国橋へ向かいます。
生憎と工事中。
工事用バリケードが両国橋の錦絵になってます。
はい、着きました。( ´∀`)ノ
両国橋(京葉道路)でございます。
上には首都高が走っております。
工事用バリケード看板の錦絵。
橋の上はギウギウです。(゚∀゚)))))
人でごったがえし。
当時、橋自体が少なかったので朝夕通勤時は、ギウギウだったことでしょう。
両国橋のガードレール。
軍配のデザイン、両国ならでは。
片葉掘があったとされる辺り。
明治37年に前の両国橋が掛けられる時に埋め立てられたそうです。
当然、駒止橋も残ってはいません。
公園だったみたいですが、現在工事中。
昔の両国橋は今の橋より下流の方。
大体、あそこら辺。
ここらも片葉の葦が群生してたのでしょうかね。(´ー`)
で、ぐるり回って殺人現場?(片葉掘付近)の方へ。
現場?から両国橋を眺めます。
葦がなくともお駒さんの怨念は、まだここに止まっているのだろうか?
(((( ;゚д゚)))
両国橋を離れ隅田川沿いを上ります。
この河川敷は散歩にうってつけ。
『花』を歌いながら歩いてみましょう。( ・∀・) ?♪
ああ、潮の香りがする。
中央に小さく写っているのが柳橋。
神田川の終点、隅田川に合流する地点です。
そう言えば、柳橋で醤油を一升飲んで死んだって噺があったような?
今回、「本所七不思議」を巡るにあたり、
吟醸さんのHP『吟醸の館へようこそ』中の「落語の舞台を歩く」(本所七不思議は第45話)を参考にさせて頂きました。
吟醸さん自らカメラを提げ、地道に実地検証されたものです。
落語の世界も面白い!( =゚ω゚)=3
なんと吟醸さんは、書籍も執筆していらっしゃる。
「江戸落語の舞台を歩く」東京地図出版
これを読んだら、あなたも江戸散策をしたくなること請け合いです。
お付き合い、ありがとうございました。
次回は、『落葉無き椎の木』です。( ´∀`)ノシ
弐『落葉無き椎の木』 参『狸囃子』 肆『津軽屋敷の太鼓』 伍『消えずの行灯』 陸『足洗い屋敷』 質『送り拍子木』 捌『置いてけ堀』玖『送り提灯』
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