★『片葉の葦』 本所七不思議  其の壱

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『片葉の葦』 本所七不思議  其の壱 

江戸時代の話でございます。
本所亀沢町にお駒と云う、それは器量良しの娘が住んでおりました。
まあ器量良しでありますので、男共が言い寄ってきますわな。
その男共の中に留蔵という男がおりまして、これがまた幾度も執拗に迫って来る。
しかし、お駒さんは好みでなかったのでしょう「ごめんなさ?い」とかわす毎日。
まあよくある話です。
傷心男は屋台でやけ酒を呑んで終る訳ですが、留蔵は違ってた。
留蔵は、思い通りにならない事に爆発。
可愛さ余って憎さ百倍と云うのでしょうか。
「俺の女にならぬなら… この手で…」と。
昔も居たんですな?、いっちゃってるストーカーさんが。
お駒さんが外出した際後をつけ、持ってた合口でブスリと…。
だが留蔵、殺しただけじゃあ気が治まらない
なんと片手片足を切り落とし、挙げ句は掘に投げ込んだ。
鬼畜野郎でございます。
事件発生場所は、大川(隅田川)の入堀(片葉掘、駒止堀とも)にかかる駒止橋付近。
それ以来、その掘に生い茂る葦は、どうしたことか片葉になったと云う事でございます。
お駒さんの無念の現れか。
この後、留蔵は狂い死にしたと云います。

落語でお馴染みの「本所七不思議」。
(実際は、本題「浅井の化け物娘」に入る前のマクラ部分)
江戸時代に流行った怪現象話でございます。

「こ、これは絶対に妖怪が絡んでる!」と勇んで巡ってまいりました。
順番があるかもしれませんが、今回は私が回った順でご紹介。
まず最初は、『片葉の葦』でございます。


katahanoashi_1.jpg 話の舞台の片葉掘の駒止橋付近は、現在の両国橋のちょい南側。
まずは、両国の“らーめん まる玉”で腹ごしらえ。美味い!( =゚ω゚)=3
そして、この話の目印になる両国橋へ向かいます。
生憎と工事中。
工事用バリケードが両国橋の錦絵になってます。


katahanoashi_2.jpg はい、着きました。( ´∀`)ノ
両国橋(京葉道路)でございます。
上には首都高が走っております。


katahanoashi_3.jpg 工事用バリケード看板の錦絵。
橋の上はギウギウです。(゚∀゚)))))
人でごったがえし。
当時、橋自体が少なかったので朝夕通勤時は、ギウギウだったことでしょう。


katahanoashi_7.jpg 両国橋のガードレール。
軍配のデザイン、両国ならでは。


katahanoashi_4.jpg 片葉掘があったとされる辺り。
明治37年に前の両国橋が掛けられる時に埋め立てられたそうです。
当然、駒止橋も残ってはいません。
公園だったみたいですが、現在工事中。


katahanoashi_5.jpg 昔の両国橋は今の橋より下流の方。
大体、あそこら辺。
ここらも片葉の葦が群生してたのでしょうかね。(´ー`)


katahanoashi_6.jpg で、ぐるり回って殺人現場?(片葉掘付近)の方へ。
現場?から両国橋を眺めます。
葦がなくともお駒さんの怨念は、まだここに止まっているのだろうか?
(((( ;゚д゚))) 


katahanoashi_8.jpg 両国橋を離れ隅田川沿いを上ります。
この河川敷は散歩にうってつけ。
『花』を歌いながら歩いてみましょう。( ・∀・) ?♪
ああ、潮の香りがする。

中央に小さく写っているのが柳橋。
神田川の終点、隅田川に合流する地点です。
そう言えば、柳橋で醤油を一升飲んで死んだって噺があったような?


今回、「本所七不思議」を巡るにあたり、
吟醸さんのHP『吟醸の館へようこそ』中の「落語の舞台を歩く」(本所七不思議は第45話)を参考にさせて頂きました。
吟醸さん自らカメラを提げ、地道に実地検証されたものです。
落語の世界も面白い!( =゚ω゚)=3


なんと吟醸さんは、書籍も執筆していらっしゃる。
「江戸落語の舞台を歩く」東京地図出版
これを読んだら、あなたも江戸散策をしたくなること請け合いです。

お付き合い、ありがとうございました。
次回は、『落葉無き椎の木』です。( ´∀`)ノシ


『落葉無き椎の木』『狸囃子』『津軽屋敷の太鼓』『消えずの行灯』『足洗い屋敷』『送り拍子木』『置いてけ堀』『送り提灯』
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コメント

お久しぶりです。しばらく予告なしに
完全離脱しておりました。

あぶみくちはなんだか友人のあぶらたにを
思い出します!

髪鬼さん、私に髪切らせて~!
免許無いから無償です!!

鬼熊こわい~、森の熊さんと
ボリノークサマーンって似てますよね?!

ヤンキー「何メンチきっとんじゃ~!!」
めくらべA「今(now)俺と目そらしたろ?」
めくらべB「あ?!何そらしてんねん!!」
ヤンキー「サングラス掛ければ良かった・・・。」

バブゥ~といえば、最近タラちゃんの真似をする
芸人が強烈なインパクトでした。
バブゥ~はイクラちゃんなんですが。

森のくまさんは・・・以下同文。

現在(now)のストーカーが伝説的になるには、
どうすればいいのですかね?!

ふぅ~♪

素晴らしい!!

こうゆう、意義のある、ちい散歩、良いですよね。
いつも思います。見ていて心から楽しめます、さすが
プロだなと。
しかも、いつもお天気良いですよね、オカチンさんは
晴れ男なんでしょうか?

下の下の記事のコメント返し。。。
親子の愛ですねぇ~

荒くまさん、かわこわでやっぱり憎めないですぅ^^

この記事では、行ったことのない所が見れて、楽しかったですぅ^~^♪

観光ガイドみたいで
楽しませてもらいました~

 バラバラ事件はいやですが…。
 

肩ぁ~で かっぜ切っる がっくせいさんにィ~♪
ジャズが音頭とぉ~る神田!神田!かぁ~んだぁ~♪

こんばんは!BENIHANA・Tokyoですw!(アカン!まざっとるがや!!! (・ω・;)


う~、なんとまぁ
お江戸の昔から「猟奇ストーカー殺人」って
あったんですね・・・v-12

妖怪さんや幽霊さんよりも
やっぱり
生身の人間の念がイチバン・・・コワイ!

ま、ま、ま!
それはチョイと傍らに置いといて・・・!

いいですネぇ~、こういう街巡りw
お江戸八百八町は水の都!
古地図なんぞ片手に
好いた殿方と漫ろ歩きたやぁ~~♪ (´∀`)

話の内容はちと怖いけど
イラストがカワイイから笑えちゃう~
のはアタシだけ?だろうねぇ・・・

皆様、ありがとうございます!

> アキヒサナウ 様
いや、全部にコメントせんでも…。読み逃げで十分だから。
私も最近読み逃げばっかりで…。(  ̄д ̄;)ゞスマンコッテス
情報過多だから、現代のストーカーが伝説になるんは難しいね。


> 純 様
ちい散歩… ちいバッグは、リュック型とショルダー型の2種類がありますね。(゚o゚)
プロ… 散歩のプロ。(゚∀゚)))))
晴れ男… ヤフーの天気予想を見て計画しますが、たまに降られる時も有り。(-_-;)


> 癒しグマ 様
全部にコメントせんでも…(´Д`) ありがとうございます。
夏ですので、怪談にまつわる地を巡ると言うのも良いですね。
怪談といっても昔のヤツね。現代の廃墟病院とかは、怖くて行けない。(((( ;゚д゚))) 


> tedukuridaisuki 様
観光ガイド… いや七不思議って案外そう云うものだったのかも。
何故か全国各地にある七不思議。人を呼ぶ為の話題作りだったりしてね。(゚∀゚)))))
昔は、事件が起きるとなにかと物語にしたようで。


> スノリ 様
偶然だけど、中野で神田川(かぐや姫)の石碑をみつけたよ。(゚∀゚)))))
わし、古地図好きなんよ。現代と照らし合わせると面白い。
お江戸八百八町、まだまだ観るとこが沢山ありますぜ。


> 2010-06-20 09:46 様
最近は、夫婦で知らない場所を散歩するのが楽しみです。
旅行もいいですが、気楽に気張らず行ける散歩もいいですね。
でも、翌日脚が痛い…。(; ̄皿 ̄;) 


> 姫 様
殺人現場の再現画って初めてです。カキカキφ(;゚Д゚)」
しかし、私の画だからリアリティ無し。( ´∀`)
「日本昔話」風にできたらいいかな~っと。

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