★老人の火(ろうじんのひ)

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老人の火  ろうじんのひ

-木曽(きそ)の深山(みやま)にや、老人(ろうじん)の火(ひ)といふ物(もの)あり。是(これ)を消(け)さんとするには水(みづ)をもつて消(けせ)ども更(さら)にきへず。畜(ちく)類の皮(かわ)を似て消(けせ)ば老人(ろうじん)ともに消(きゆ)るといへり。-
『繪本百物語』-桃山人夜話-(画図文)にこう記されている。

これもまた怪火の一種であるが、名前の通り火と老人のセット。
この怪火は水をかけても消えないが、獣の皮ではたくと消えると云う。

人に危害を加えることは無いらしいが、夜道の一本道で出くわしたらやはり怖い。
しかし... 、どう見てもホームレスの老人が焚き火をしてるようにしか見えないが...。


荒れ果てた墓地で声をかけられた提灯火
その声の主とは


あ、あなたは?!Σ( ̄□ ̄;)ハッ

わしか? ( ̄ー ̄)
わしは通りすがりの老人じゃ
あんた、こっちに来て少し話さんか


老人って… あなたは… 人間ですか? ( ̄△ ̄;)

そうか、そうか、( ̄ー ̄)
老人と言ってしまっては人間でなくてはならんな
そうさな~ 昔は人間であったな
人間であったころ仙人に憧れ深山に入り...
しかし、仙人にはなれずこの様...
今は、人間の様で人間ではない怪しい存在と云う訳じゃ


え~、そうなんですか!
私はてっきりホームレスの老人とばかり ( ̄д ̄;)ゞ


ははは、ホームレスには違いないな ( ̄∀ ̄)
しかし、あんた何を嘆いていたんじゃな?


はぁ... (´д` )
私は提灯火と申しますが、誰にもそれが分からないみたいで
鬼火とか怪火で済ませられてしまいます...
だからなんとかして目立とうと思い、他の妖怪さんに合体を申し込んだんです
そうしたら合体した妖怪さんを消滅させてしまって... 


そうか ( ̄ー ̄)
まあ消滅と言っても我等妖怪は人の概念で存在しておる
そのうちその消滅した妖怪さんもまた復活するだろう
そう気を悩ますこともなかろうて


ほんとですか!
よかった~ ( ̄0 ̄;)


やってみなくちゃ分からんこともある ( ̄ー ̄)
そう、あんたはやってみてどう思った
あんたにはすでに答えが出とるはずじゃ
じゃあな、もっと自分に自信を持つ事じゃ


そう言い残すと老人はフッと消えてしまった。


つづく
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★墓の火(はかのひ)

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墓の火  はかのひ

-去(さ)るものは日々にうとく、生ずるものは日々にしたし。古きつかは犁(すか)れて田となり、しるしの松は薪(たきゞ)となりても、五輪(ごりん)のかたちありありと陰火(いんくは)のもゆる事あるいはいかなる執着(しうぢゃく)の心ならんかし。-
鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』にこう記されている。

怪火の一種。
画を見ると荒れた墓の元から炎が燃え上がっている。
墓の主の怨念なのだろうか。
人体から出る鱗火であるとも云われている。


荒れ果てた墓地に提灯火はいた。

蓑草鞋さん… 済みません… 私が変な誘いをしなければ… (ノω・、)

蓑草鞋さんを弔うつもりで墓場に来たけれど… (´-д-;)
やはり私はただの鬼火でしかない
鬼火は墓が一番お似合いさ…
残りの余生はこの墓場で過ごすのもいいかもね… (´д` )

もっとも夜更けの墓場に人なんて来ないだろうけど… (´・ω・`)


ちょっとあんた、なんて云う鬼火だい?

はっ!あ、あなたは?!Σ( ̄□ ̄;)ハッ


つづく

★蓑火(みのび)

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蓑火  みのび

-田舎道(いなかみち)などによなよな火(ひ)のみゆるは多(おほ)くは狐火(きつねび)なり。kの雨(あめ)にきるたみのゝ嶋(しま)とよみし蓑(みの)より火(ひ)の出(いで)しは陰中(いんちう)の陽気(やうき)か。又は耕作(こうさく)に苦(くるし)める百姓(ひゃくせう)の臑(すね)の火なるべし。-
鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』にこう記されている。

怪火の一種で狐狸の仕業とも云われている。
画を見ると鍬を携えた蓑傘が燃えながら畔道を浮遊している様に見える。
文中に「耕作に苦める百姓の臑の火なるべし」とあるので農夫の怨念とも思われる。
同じような怪火で、雨の日の夜に蓑や傘に蛍のような火がまとわりつき、払うと火が大きくなっていくと云う話もある。


田舎の畔道にて事は起ろうとしていた。
提灯火の奇声が闇夜を割く。


蓑草鞋さん、準備はいいですか!(`・д・´)

お、おう!( ̄□ ̄;)

それでは、バロ~ム じゃねえや (;゚皿゚)

合体!( `_)乂(_´ )

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

合体妖怪“蓑火”!━━━━(゚∀゚)━━━━

どうです、蓑草鞋さん! ( ゚∀゚)
我々が手を組めばこんな素晴らしい妖怪に変身出来るんですよ!


スゲ~!俺が燃えてる!( ;゚Д゚)」
スゲ~!俺が目立ってる!( ;゚Д゚)」


どうです、このまま里まで下りてみませんか? ( ゚∀゚)
こんな田圃なんかでくすぶっていたんじゃあ埒があきません!


いいね~!里まで行ってみよう!( =゚ω゚)=3
この勇士を村人達に見せて恐れおののかせようぜ~!


そうこなっくっちゃ!( ̄∇ ̄)ノ

スゲ~よ、俺が燃えちゃってるよ~( ;゚Д゚)」
スゲ~よ、俺が燃えちゃってるよ~
スゲ~よ、俺が燃えちゃって…
スゲ~よ、俺が…
え、俺が…
俺が… 燃えちゃってる…?
俺が… 燃え尽きちゃう…??
俺… (;一_一)?
なくなる…?


蓑草鞋さん!
里が見えてきましたよ!( =゚ω゚)=3
蓑草鞋さん!
蓑草鞋さん…??
みのさん…??(゜д゜;)ゞ
………………………………………(-_-;)
蓑草鞋さ~~~~ん!!・゚・(ノД`)


哀れ蓑草鞋、素材が素材なだけに提灯火の火によって燃え尽きてしまいましたとさ。


これでまた… 私はただの鬼火ということか… (TДT)


つづく

★提灯火(ちょうちんび)

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提灯火  ちょうちんび

-田舎(いなか)などに提灯火(てうちんひ)とて畔道(あぜみち)に火のもゆる事あり。名にしおふ夜(よる)の殿(との)の下部(しもべ)のもてる提灯(てうちん)にや。-
鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』にこう記されている。

田舎の畔道などに出没する鬼火の一種。
低空を漂い遠目でみると提灯の火のように見える。
狐や狸の仕業とも云われている。
因みに鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』には、鬼火の下に狐のシルエットが描かれている。
似た妖怪(怪現象)に『画図百鬼夜行』の「狐火」があるが、これとはまた違うようだ。


妖怪「蓑草鞋」さんは嘆いていました。
そこに声をかける者あり。


もし、蓑草鞋さん

はっ、鬼火!Σ( ̄□ ̄;)ハッ

…ははは やはり鬼火にしか見えませんか…。( ´Д`)

えっ? 鬼火じゃないとすると、あなたは?( ̄0 ̄;)

私は「提灯火」と申します。
いやいや、提灯の火ではなく提灯の火の様に見えるからですがね。
何ぶん鬼火族と言うのは脇役で、存在で言うと刺身のツマ的な扱いでして…
我々を見ると皆さん「鬼火!」って一括りにされてしまいます。
そして、私はその中でもまたマイナーな存在でございます。
誰も通らない田舎の畔道で漂って、たまに人に見かけられりゃあ「鬼火!」で終わり。
そんな人生が嫌になってきましてね~。(|||´Д`)=з


ああ、あなたも地味で悩んでらっしゃると…。(´・ω・`)

蓑草鞋さんの嘆きを聞き共感するところございまして声をおかけしたしだいで。
どうです、私と組みませんか?(`・ω・´)ノ


なにか良い手があるのですか!(゚д゚; ) 

私と合体することで新しい妖怪に変身するのです。(`・ω・´)

そ、それは!(゚д゚; ))))

つづく

★蓑草鞋(みのわらじ)

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蓑草鞋  みのわらじ

-雪(ゆき)は鵝(が)毛に似て飛んでさんらんし、人は鶴裳(くはくしやう)をきてたつて徘徊(はいくはい)せし、そのふる蓑(みの)の妖(やう)くはゐにやと、夢の中におもひぬ。-
鳥山石燕の『百器徒然袋』にこう記されている。

蓑、草鞋の付喪神なのだろうか。
しかし、複数の集合体で形成してるところを見ると、農民の念がこれらに憑依したものとも考えられる。
どちらにしても驚かすだけで、危害を加える妖怪ではなさそうだ。
それとも鍬で攻撃してくるのかしら。


妖怪「蓑草鞋」さんは嘆いていました。

俺は地味だな~ (*´Д`)=з
地味すぎる
なんかこのまま畑仕事行くみたいで… (´・ω・`)

って、畑耕してどうするよ!(;゚皿゚)」
妖怪は人を驚かせてなんぼでしょうが~!(;゚Д゚)」


と叫んでみたところで… なにも変わらんか… (*´Д`)=з
なんか芸でも磨いてみるかな…  
鍬を振り回すとか、鍬で土を掘り返すとか…

って、畑耕してどうするよ!(;゚皿゚)」
妖怪は人を驚かせてなんぼでしょうが~!(;゚Д゚)」


あ~一度でいいから目立ってみたい… (|||´Д`)=з


つづく
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