飛倉(とびくら)

飛倉 とびくら
コウモリが長い年月を経ると飛倉(とびくら)と云う妖怪になる。
その妖怪、火を喰らい、木の実を喰らい、はたまた人や動物の生き血を啜る。
夜歩いていると顔に覆いかぶさり襲って来るそうだ。
そりゃ?恐ろしい妖怪です。(((( ;゚Д゚)))ガクガク
って…… (#;`Д´;)ノシ☆コラーッ! 野衾(のぶすま)と同じやないけ?!
そう、野衾(のぶすま)と同じ妖怪さん。
『狂歌百物語』では、飛倉(とびくら)と云う名前でコウモリの姿で描かれてます。
まあ作者と出版会社が違えば、同じ妖怪も違うものになるということですな。(゚∀゚)))))
【前回からの続き】
あ、あなたは誰ですか?( ̄□ ̄;)
わしは、飛倉(とびくら)と云う者じゃ。( ´_ゝ`)ノ
コウモリの姿のままで… 妖怪なのですか…?(; ̄Д ̄)
一応は、そういう事になっておるがの?。( ;´Д`)ゞ
コウモリとして生まれ、コウモリとして長生きをし、そしてこれじゃ。
妖怪に成りたいと思う反面、このままコウモリでいたいと思う気持があったんじゃろ。
それじゃから妖怪となってもこの姿なのかもしれんな。
こんなよぼよぼの老体なのに死ぬ事も出来ん。
無様と言えば無様よのう。ほっほっほ。(′∀`)
なあ、お若いの。
コウモリとして生まれたからにゃ、やはりコウモリとして生をまっとうしたいと思わんか。
大層な変化などせず、命が尽きるまでコウモリでいようとは思わんか。
まあ選ぶのは、お若いの… あんたじゃ。
年老いた爺の1提案と思うてくれ。
じゃあの。
Σ( ̄□ ̄;)ハッ
…………………… (一_一)
私は、何に憧れ、何者に成ろうとしていたのだろう。
全てが虚構であり、全てが現実でもあり。
飛倉(とびくら)翁の仰ったことは、決して飛倉(とびくら)への誘いではなかった。
ましてや、生の諦めでもない…。
自然に委ねようか… 否、抗ってもいい。欲望を持ち進んでもいい。
全ては、我が心に…… か。( ´_ゝ`)フッ
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おとつぁん、倉の中でコウモリが死んでるよ。
こりゃまたでけえコウモリだな?。
何年くらい生きたんだろう。
もう少し生きてたら妖怪に成ったかもしれんのにな?。
なに妖怪って?
あ?、コウモリが年を経ると飛倉(とびくら)とか野衾(のぶすま)とか云う妖怪になるそうだ。
へ?、じゃあこのコウモリは成れなかったんだ?。口惜しいだろうね?。
いや、見てみな顔が笑ってやがる。十分に生をまっとうした顔だな。
そうだね。何だか楽しそうな死に顔だね。
ああ、こりゃぁ大往生さね!
【完】長い間のお付き合い、誠にありがとうございました。<(_ _)>
【『の』の一族】
野衾(のぶすま)、野鉄炮(のでっぽう)、野襖(のぶすま)、山地乳(やまちち)、飛倉(とびくら)、百々爺(ももんじい)
妖怪ショートアニメ「ちみちみ怪々」
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