『送り提灯』 本所七不思議 其の玖

『送り提灯』 本所七不思議 其の玖
江戸時代の話でございます。
本所は出村町辺りでの事。
帰りが遅くなり、夜に提灯もなく歩いておりますと前方に提灯の灯が見える。
「こりゃ天の助け、いい道連れができた」と思い近づこうとすると灯がぱっと消える。
「ありゃ、どこ行ったい?蝋燭の灯が消えたのか?」と辺りをキョロキョロと目をこらす。
暫くするとまた前方で灯が見える。
「おっとあっちだったか、お?い、ちょっとそこの方ぁ」と近づくとまた灯がぱっと消える。
その繰り返しで、いつまで行っても灯に追いつかない。
いい加減気づきそうなもんですが、それはそれ、もう術中にはまってしまってるわけですな。
そして、はっと我にかえると夜も明けており一人佇んでるのでございます。
周りを見れば、そこは葦が生い茂る葦の原。
よく見るとその葦は、片葉の葦でございました。(其の壱に戻る)
落語でお馴染みの「本所七不思議」。
(実際は、本題「浅井の化け物娘」に入る前のマクラ部分)
江戸時代に流行った怪現象話でございます。
「こ、これは絶対に妖怪が絡んでる!」と勇んで巡ってまいりました。
順番があるかもしれませんが、今回は私が回った順でご紹介。
九ヶ所目は、『送り提灯』でございます。
さて、いよいよ(やっと)最終話。
はい、着きました。( ´∀`)ノ
本所は出村町辺り、現在の太平一丁目付近です。
この辺りは、寺、寺,寺、お寺だらけ。
正面に見えるは、法恩寺の門です。
なんでも『鬼平犯科帳』にも出てるお寺のようで…。
読んでないから知らんけど…。( ̄_ ̄)
法恩寺の伝承看板です。
太田道灌公創建のようです。
長谷川平蔵もここに来たのかな?。( ´∀`)
法恩寺の本堂です。
屋根の上にまたまたスカイツリー。
左手にある三重塔は、現在修復中のためシートが掛けられ見れませんでした。
夜じゃないけど、こんな感じかな?
提灯の灯を追い求め何処までも。
今回、「本所七不思議」を巡るにあたり、
吟醸さんのHP『吟醸の館へようこそ』中の「落語の舞台を歩く」(本所七不思議は第45話)を参考にさせて頂きました。
吟醸さん自らカメラを提げ、地道に実地検証されたものです。
落語の世界も面白い!( =゚ω゚)=3
なんと吟醸さんは、書籍も執筆していらっしゃる。
「江戸落語の舞台を歩く」東京地図出版
これを読んだら、あなたも江戸散策をしたくなること請け合いです。
『本所七不思議』と言って結局九不思議。
伝承によりどれが本当か七不思議。
それはそれ、皆さん好きな様に七つ選んでくださいな。
不思議な話は、いつの時代も好奇心をくすぐられるものでございます。
楽しいじゃありませんか。
長い間のお付き合い、ありがとうございました。
『本所七不思議』、これにて終わりでございます。
はい、おしまい。( ´∀`)ノシ
壱『片葉の葦』 弐『落葉無き椎の木』 参『狸囃子』 肆『津軽屋敷の太鼓』 伍『消えずの行灯』 陸『足洗い屋敷』 質『送り拍子木』 捌『置いてけ堀』
妖怪ショートアニメ「ちみちみ怪々」
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